CONCEPT

『芸術とは、哲学だ。』

これは、私、画家・多養麻子が芸術活動を行う上で、いつも大きく心の中心に鎮座している概念だ。
芸術とは、己を深く洞察することであり、己について深く感じること。
そして、己を深く愛すること。
そんな風に、私は、考えている。

描けば描くほど、思い知らされる。
“私は、なんて自分を知らないのだろう” と。
何かを生み出すと言うことは、本当の自分と向き合わざるを得ない。
そして、「内」と「外」について、深く迷路に迷い込んだ様に考えさせられるのだ。

上っ面の寄せ集めではなく、日々、血から骨から、コツコツと積み上げていく覚悟。
暑い日も、寒い日も、晴れの日も、雨の日も、先が見えないほど時間がかかったとしても。
己の醜さや孤独を、嫌と言うほど思い知ったとしても。

それでも私は、
この私から生まれた世界が愛しくてたまらず、いつも、とても幸せな涙を流す。

私から生まれた作品達は、私の子であり私の分身で、私の考えを、生き方を、真心を、克明に映し出す。
答えはいつも己の「内」にあり、その本当の「内」を知った時、初めて「外」に真心からの感謝を覚える。
そして、全てが “私” であったことを知るのだ。

私が目指すもの。
それは、”真の多養麻子” になること。
何にもとらわれず、ただ在るを受け入れ、ゆっくりゆったりした世界へ。
今ひと時、”本当の自分”と繋がり、心穏やかにたんたんと。
私は、”私で在る” ことをいつも選択したい。

全ての作品は、画家・多養麻子の人生の探求と考察から得た、感動と発見、そして感謝の軌跡だ。
私の生み出した作品達が、いつしか、多くの方々を新しい世界へと誘う鍵になることを願って。

多養麻子(たやあさこ)